2005-06-07 殊能将之『ハサミ男』(7) 本 「やめろと言いたいのか」 「いや、そんなことを言うつもりはないね」 医師はすぐに、いつものからかうような口調に戻って、 「きみの好きにするがいい。きみのやりたいようにすればいい。ただ、きみには自分が何をしたいのか、まったくわかっていないだろうけどね」 ミステリィを読んでいてもあまり考えていないので、基本的にすべてのミスリードに足をつまずく。それが気持ち良いと思う。饒舌な皮肉屋の出る文書は好き。あまり期待せずに読みはじめたのだが、充分に楽しめた。