養老天命反転地 SITE OF REVERSIBLE DESTINY-YORO PARK,GIFU

nksn2005-06-26

  • 上下の揺さぶり
    • 養老天命反転地記念館(オフィス)以降の殆どのパビリオンにて
    • 床と天井の鏡面構造
    • 異なる空間が天井から生える構造
    • 床下に異なる空間が見える構造
  • 大小の揺さぶり
    • 養老天命反転地記念館(オフィス)、昆虫山脈、万里の長城、大きな日本列島などによる
    • 肉体のサイズの認識を歪める
    • 万里の長城でのすれ違い時
    • 万里の長城で左右を壁に囲まれると、見える細長い景色の下の端にだけ付近の家が見え、大半が空で、何だか象徴的
  • 内外(境界)の揺さぶり
    • 5つの日本列島(見つけ難い5つ目)
    • 万里の長城の内側と養老天命反転地の内側を同じものと認識してしまう
      • まず養老天命反転地の敷地の内外(内/外)があり、内側には更に万里の長城を境界とする内外(内-内/内-外)がある
      • わかりやすい境界の内側(内-内)に身体を置くと、その外側(内-外および外)はすべて単一のものとして認識してしまう

岐阜県養老町にある、荒川修作+マドリン・ギンズによる実験的アートプロジェクト『養老天命反転地』。「身体」が持つ可能性、身体に作用する「環境=建築」、身体感覚の変革による意識の変革。

B級スポットめぐり的な半笑い行軍だったはずが、いざ入ってみると、十全に意図を汲み切れていないであろう自分に歯痒さを感じるほどに深読み許容区域で、脳が疲れる。水平・垂直を極力排除した構造物ばかりで、起伏に富み、「みんなどうして真っ直ぐ歩くの?」「みんなどうしていつも前向きに歩いているの?」というアンチ常識な感じで、肉体的にも過酷な環境。超難解かつ消費カロリィ・水分が尋常でないが、またゆきたいと思えた。養老の滝など、おまけに過ぎない。

http://www.yoro-park.com/j/rev/