鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』(7)

「気のせいかしら? いま宮田さんが東北って言ったような気がしたんだけど」
「耳はいいようだな、早乙女さん」
「じゃあやっぱり本当に言ったのね? へたなジョークを」
「ジョークじゃない。邪馬台国は東北にあったんだ」
「ひとつ訊いていいかしら?」
「なんなりと」
「あなたって、もしかしたらバカ?」
松永は息を呑んだ。
「哲学的な意味でならイエスだ」

邪馬台国はどこにあったのか」「明智光秀の謀叛の動機は何だったのか」「イエス・キリストは本当に復活したのか」など、歴史上の常識を宮田六郎が奇説で覆す。どこまでが本当なのかわからないが、高田崇史のQEDシリーズから殺人事件を抜いて、テンポを良くして、さらにユーモアを心地よく振りかけた感じ。罵倒台詞でガッツポーズできる。