鯨統一郎『新・世界の七不思議』(5)

「はあ?」
静香はカクテルグラスを手に持ったまま口を開けて宮田を見つめた。
「ねえ。“はあ?”よりもっとおどろいたときの、しかも軽蔑のニュアンスを含んだ感嘆詞ってなかったかしら。いま使いたいんだけど」

邪馬台国はどこですか?』に続く、歴史上常識覆しもの。「外国の古代史は、ぼくの知識領域のエアポケットになっている」という宮田六郎が、キバヤシばりの強引さで「アトランティス」「ストーンヘンジ」「ピラミッド」「ノアの方舟」「始皇帝」「ナスカの地上絵」「モアイ像」などの謎を解体する。強引なのに何だかきれいにまとめられて、呆然とするうちにカシスシャーベットを頼まれてしまう。そして、相変わらず、早乙女静香の罵倒でガッツポーズ。