宮部みゆき『クロスファイア(上)』(0)

満を持しての初宮部本なのに、大いに外した感。超能力者の主人公が正義の名の下に法の裁きから逃れた極悪人を焼き殺すお話。ミステリィには見えないし、やはりこれは純粋にSF、なのだろうか。シリアスなお話とはいえ、ここまでウィットに富んだ会話もなしにひたすら場面描写に徹されてしまうと、何だか置いていかれた気がむくむくと。文章がまともなだけに期待を捨てきることが出来ず壁投げもできないで、上巻を読み終えてしまった。超能力つながりで飯田譲治NIGHT HEAD』などを思い出しつつ、ああ、下巻もきっとガッツポーズは出来なさそうだな、と思いつつも読むのだが。ああ。