霧舎巧『カレイドスコープ島 《あかずの扉》研究会竹取島へ』(3)

「なるほど、あんたが後動さんの天敵か?」
 代わりに食いついたのは鳴海さんだった。
「あたしが捕食者で、後動悟が被食者という関係でいいのなら、いかにもあたしは天敵だ」
「そうか、それじゃあ生態系が狂ってしまうか。被食者に負かされた捕食者なんて聞いたことがないからな」

《あかずの扉》研究会シリーズ、2作目。それぞれそれなりに魅力の出てきた研究会メンバとは裏腹に、テキトー感がそこはかとなく漂う現地民たち。恐子さんのツンデレ。後動・鳴海の探偵二人体制と咲さんの予知ネタは、まあ、そこそこに楽しめるのだが、うーん、今ひとつ。混沌としたままフィニッシュ。