高田崇史『麿の酩酊事件簿 花に舞』(2)

nksn2006-07-30

「ここはどこ?」
「公武先生の、病院でございます」
「何で、ぼくはこんな所にいるのさ?」
「酔って、怪我をされたようで」
「いつ?」
「一昨日の晩かと」
 えっ! と文磨は飛び起きようとして、またベッドにへたりこんだ。
「今日は何曜日?」
「爽やかな土曜日でございます」

《麿の酩酊事件簿》シリーズ第1作。短編4本。独身貴族・勧修寺文麿が酩酊状態で過去の謎を解き明かす日常系ミステリィ。台詞のガッツポーズ具合はこれまでの高田本と似たような感じ。コミカルで、話の尺は短いのに、何だかテンポのよろしくなさ。