森博嗣『カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep』(2)

「石碑って、いつ頃のもの?」栗城が歩きながら尋ねる。
「さあ、江戸か明治なんじゃないかな。太一、知ってる?」
「明治だと思う」太一が答えた。
「とにかく、百二十年くらいまえ」玲奈は言う。「今が、二〇〇六年だから、えっと、一八八六年か。えっと、明治維新っていつだっけ?」
「えっとぉ……」栗城は郡司の顔を見る。
「駄目だよ、僕たち理系だから」

コカコーラ×森博嗣という、狙い打ちにされたかのようなコラボ小説。ひと夏の冒険もの。理系パロディというよりもオタパロディといったほうがしっくり来るかも。『郡司は評価した』という文が出てくるたび、にやにや。