森博嗣『どきどきフェノメノン』(6)

「本当のこと言うとね、花もあったの」佳那は言った。正直なことを話すときは、とても気持ちが良い。清々しい。
「それ、普通、最初に言いますよ」水谷が抗議する。「花は、どうしたんですか?」
「枯れた」佳那は答える。言葉少なであるが、嘘はなるべくつきたくないので、文字数を最小限に留めた。

森博嗣お得意の理系大学研究室もの。水柿助教授シリーズと同じように、理系ワードとことば遊びを散りばめた軽い文章。で、ラブコメ。どきどき描写にいまひとつどきどきできなかったのが残念。