熱田を攻める

nksn2005-08-03

昼過ぎの講義に向けて身支度を整えていたが、窓の外を覗くとあまりにも天気が良いので、急遽体調不良となる。来週取りにゆこうと考えていた住民票を取りに、熱田区役所へ、プチ物見遊山気分でてくてく歩き出す。近所の公園では、小学生たちが、勤勉と呼ぶべき姿勢で遊んでいる。申し分のない風。
白鳥を、堀川を、旗屋を、神宮を越え、区役所。ついでに併設の図書館へ寄って棚をなめ回していると、探しても本屋で出会えない北村薫『朝霧』を見つける。読みはじめたら読み終えるまで帰れないとは知りつつも、さまざまな人種を受け入れる反面なかなか文化的な気配のない窓際の読書椅子で、頁を捲りはじめる。読み終えて図書館を出るとずいぶん涼しくなっているので、うれしくなって更なる涼みを得るべく、熱田神宮にも足を伸ばしてしまう。参拝客はごく少数。折角地元地元した日を送るならばと宮きしめんを求めて休憩所へゆくが、休業日のようで、諦めて南神池を眺めつつ休む。鯉、亀、鳩。
匂いにつられて道を誤り、今日は贅沢にと腹を括り、大和田で櫃まぶしを頂く。ひとりでもそもそと神秘の味を楽しみつつ、お行儀わるく『朝霧』を反芻し、円紫さんと《私》が鰻を食べる様を妄想して遊ぶ。茶漬け。断夫山古墳を右手に神宮公園を歩くと、見知らぬひとびとの野球試合。2回ぶんを観戦し、堀川を、白鳥を越え、帰り路につく。
かみしめられるしあわせのいくつかをえて、あすのことをかんがえるきりょくをとりもどし、きょうもここちよいつかれをかんじる、あつたのたみのきろく。