清水義範『虚構市立不条理中学校(全)』(再4)

nksn2005-08-14

「いや、今蓬原さんがおっしゃった、それ、です。その、それは、何をさしているのか、という問題が国語の試験にはよくありますでしょう」
「ああ、そうですね。そう言えばよくあります」
「そう言えばの、そう、は、どうなのか、というタイプの問題です。そういう問題のことを我々専門家は、それは何問題と呼んでいます」
「それはそれは」
「今の、それはそれはのそれは、一体何をさしているのかですよ」
「えーと、そこまではちょっと」
「そことは、どこまででしょう」
「ははは。やっていくとキリがないですね」
「そうなんですよ」
蓬原も反撃した。
「そうとは、どうなんですか」
「やっていくとキリがない、ということです」
“五者択一”がきっぱりと答えた。
なんだかわけがわからなくなってきた。

ずいぶん懐かしい本をブックオフの105円棚で見つけたので、回収。教育議論エンタテインメント小説。強調された少しおかしな点がいくつも折り重なって、やがて収拾のつかないドタバタに、みたいな清水本の面白さを、さらに幾重にも重ねた感じ。ハードカバー含めて3セットくらい持っている気がするので、どこかで誰かにあげよう。