宮部みゆき『クロスファイア(下)』(1)

「……怒った?」にやにやしながら、浩一が訊いた。
 淳子は返事をしなかった。
「ボーイフレンドとか、いたことある?」
 淳子は黙り続けた。
「俺はね、昔っからガールフレンドは大勢いた」
 淳子は窓にぶつかるみぞれの粒を数え始めた。

軽口な木戸浩一の出現で愉快な台詞も飛び出すかと思いきや、期待も空しく淡々と続くお話。もう1冊か2冊くらい宮部本読んで、はずれが続いたら、それ以上深追いはしないでおこうと思った。