2006-06-17 北村薫『街の灯』(3) 本 「いい度胸だな、女」 「格別、そうとも思われませんが」 「命が惜しくはないか」 「惜しくないわけがありません。ただ、当たり前のことがいえなければ、生きていても仕方がないでしょう」 新シリーズ《わたしのベッキー》第1作。昭和7年という時代設定、上流階級の令嬢、女性運転手。探偵役向きなベッキーさんをあくまで誘導役にとどめる趣向が、今後どう生きるのかしら。何にせよ、北村薫のシリーズものをリアルタイムに読めるのがうれしい。