黒崎緑『しゃべくり探偵』(1)

nksn2006-04-15

――ボンビーの高田が、ナイフを買ったとは、考えにくいんやけどな。
――ロンドンの警察は、高田の貧乏度を知らんからな。

たまに日記やファックスが挿入されるが、基本的に、場面の描写も含めたあらゆる説明をボケの保住とツッコミの和戸による漫才で行おうとする試み。ギャグ・ダジャレの出るタイミングもわかりやすすぎて、なおかつことごとく下らなくて、読んでいてこっちが赤面してしまう。日常系・連作短編集という属性の部分はわりと面白いと思うのだが、ウリのはずの上方漫才調の寒さが、すべてを薙ぎ払った感じ。望みをかけてもう一冊だけ読んでおこう……。